滋賀県のスポーツ振興:滋賀レイクスターズ等

2017.09.22

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各都道府県のスポーツ事情

平成23年6月、「スポーツ基本法」が成立した。これは、これまで50年もの間、改訂されてこなかった「スポーツ振興法」が生まれ変わった法律であるが、このスポーツ基本法が成立したことによって、各都道府県や市区町村も、独自にスポーツ推進計画を策定するようになっている。

 

今回のスポーツマネイジメントコラムでは、日本最大の湖、琵琶湖を擁する滋賀県にスポットを当て、自治体が地域スポーツクラブやプロスポーツとの関わり方をどう捉えて進めているかについて触れてみたい。ここから先は当面、都道府県ごとのスポーツに対する取り組みを、取材や公式資料をもとにお届けしようと思う。

 

 

滋賀県のスポーツの分布

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滋賀県人はもともと、武(スポーツ)より文(勉強)に長けている県民性らしく(近江商人という言葉があるくらいであるが・・・)、身体を動かすよりも頭脳の優れたことを好む一面があるのかもしれない。(Wikipediaより)

 

だが、実際に滋賀県に遊びに行くと、琵琶湖ではウィンドサーフィンやボート等、マリンスポーツをやっている人をたくさん見かけ、海を持たない県としては珍しく、釣りの競技人口割合が9.7%と多い。

 

滋賀県最大の魅力は何といっても琵琶湖の存在である。一周約250Km、自然豊かなロケーションに県外から多くの人が集まってくる。国際的なマラソン大会「びわ湖毎日マラソン」の舞台として、また、週末はサイクリングやウォーキングで琵琶湖一周を目指す人々が数多くいる。

 

滋賀県の人口は約140万人(2010年現在、滋賀県HPより)、そのうち5~14歳までの人口=約14万3千人、15~24歳までの人口=約15万2千人、25~34歳までの人口=約17万6千人、35~44歳までの人口=約20万3千人、45~54歳までの人口=約16万8千人、55~64歳までの人口=約19万6千人、65~74歳までの人口=約14万8千人、75~84歳までの人口=約10万1千人である。

 

そして滋賀県人の好むスポーツ、競技人口の多い競技種目は、1位ウォーキング(ウォーキングは全国でも1位)、2位軽い体操(全国でも2位)、3位水泳、4位軽い球技(キャッチボール、卓球、バドミントン等)5位釣り、6位ハイキングとなっていて、特に男性に限ると、第2位に釣りがランクされている。これは、日本全国で1位のウォーキング、2位の軽い体操、3位筋力トレーニング、4位ゴルフ、5位ランニングとは、水関係の競技の面で差があるといえる。

 

 

滋賀県に在籍するプロ・アマの競技団体

それでは一般市民ではなく、プロチームや社会人スポーツ、地域スポーツについてはどうか。

滋賀県を本拠地に活動するポロスポーツチームはBリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)の「滋賀レイクスターズ」 (2017年から滋賀ユナイテッドベースボールクラブがプロ野球独立リーグに参戦)のみである。社会人チームでは、Vリーグ女子の「東レアローズ」、サッカーでは「MIOびわこ滋賀」が強豪チームであるが、近畿県内の他の府県と比べるとスポーツチームの数は少ない。(SAGAWA SHIGA FCはサッカーJFLの強豪であったが、2013年1月をもって活動停止した。)

 

バスケットボール

・Bリーグ

滋賀県・・・滋賀レイクスターズ

大阪府・・・大阪エヴェッサ

京都府・・・京都ハンナリーズ

奈良県・・・バンビシャス奈良

兵庫県・・・西宮ストークス

和歌山県・・・なし

 

 

バレーボール(Vリーグ)

・男子

大阪府・・・堺ブレイザーズ、パナソニックパンサーズ、サントリーサンバーズ

・女子

大阪府・・・JTマーヴェラス

兵庫県・・・久光製薬スプリングス

滋賀県・・・東レアローズ

 

 

ラグビー

大阪府・・・近鉄ライナーズ、NTTドコモレッドハリケーンズ

兵庫県・・・神戸製鋼コベルコスティーラーズ

 

 

サッカーJ1J2JFL

大阪府・・・セレッソ大阪、ガンバ大阪、FC大阪

兵庫県・・・ヴィッセル神戸

京都府・・・京都サンガFC、

滋賀県・・・MIOびわこ滋賀、

奈良県・・・奈良クラブ

 

プロ野球

大阪府・・・オリックス・バファローズ

兵庫県・・・阪神タイガース

滋賀県・・・滋賀ユナイテッドベースボールクラブ(プロ野球独立リーグ)

 

このように関西では、大阪府、兵庫県、京都府にプロチームが集中していて、特に滋賀県はプロチームが2チームのみと、何とも寂しい限りなのである。

 

 

滋賀県の取り組みは?

プロ・アマ関係なしに、競技によっては試合を行うために体育館が必要である。滋賀レイクスターズは、県内の体育館を利用してホームゲームとしている。そして体育館の所有者は滋賀県や滋賀県内の市町村である。コートの利用について、滋賀県からどのような優先権や援助を受けているのであろうか。

 

 

滋賀県スポーツ健康課と公益財団法人滋賀県体育協会

まず滋賀県のスポーツ組織がどのようになっているのかを知るために、滋賀県スポーツ健康課に電話してみた。滋賀県スポーツ健康課では主に「学校体育健康」「スポーツ振興」「施設管理」の3つの分野の仕事を受け持っているが、「施設管理」の部分についての実際の運営は公益財団法人滋賀県体育協会に業務委託している。実務を滋賀県体育協会が行うことで、縦割りになりがちな県→市との関係をうまく連動させているようである。

 

 

自治体とスポーツチームの関わり

次に、治体と一民間企業であるプロスポーツチームがどのような関係を築いているのか質問してみた。その回答によると、会場を押さえるための申込みは通常4ケ月前からスタートするのだそうである。しかし、Bリーグのプロチームともなると、年間を通して試合のスケジュールが組まれているので、いちいち試合の度に会場を押さえに行くのは大変ではないか?と心配になった。

 

だがその心配は無用であった。プロチームのような全国規模の話ともなると「特定団体」に認定され、前年度の2月に優先的にコートの予約ができるのだそうである。

ただし、料金に対する優遇はなし。観客から入場料を徴収するようなプロの試合は、一般向けのコート使用料の10倍がコート使用料となるのだそうである(126,000円~251,000円)。これは何としても入場者数を確保する必要がある・・・。

 

一方、試合会場の横でいくらグッズや食べ物が売れようが、全くその売上に対してのロイヤリティは自治体は徴収していない。自治体と民間(プロスポーツチーム)の距離感はいまひとつ遠いように感じたが、もう一度、県独自での取り組みを考えてみても良いのではないだろうか。

 

そういった意味では、まだまだ伸びしろのある滋賀県。例えば、自治体(県)と民間(スポーツチーム)が協力し、町興しを兼ねてスポーツチーム向けのサポートがもっとあれば良いのではないか・・・と考えた。

子どもがスポーツにのめり込む大きな要因として、目標とする選手がいることが挙げられる。「大人になったら○○選手のようになりたい!!」という気持ちになることが、次世代のスポーツマンを生み出す結果となるはずである。

 

 

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