兵庫県のスポーツ振興:但馬アスリートクラブ等

2017.09.29

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■兵庫県の生涯スポーツ振興計画と振興行動プログラム

今回のスポーツマネイジメントコラムでは、兵庫県を取り上げたい。兵庫県は、北は日本海、南は瀬戸内海とふたつの海岸線を持ち、広大な面積を有している。地形的には大阪湾に面した南部は平野部だが、中部・北部の大半は山地となっている。そのため気候も地形豪雪地帯から瀬戸内買式気候まで、エリアごとに変化に富んだものとなっていて、「兵庫県」と一括りにしては論じにくい。使う言葉(方言)や習慣も地域により様々で、畿内に近いことから、歴史的に価値ある遺産も数多い。

 

そんな兵庫県のスポーツ推進計画を兵庫県のHPから確認してみると、平成13年3月に「兵庫県生涯スポーツ振興計画」(平成13年~22年度)を策定し、「豊かなスポーツライフの創造」を基本理念として、だれもが「いつでも、どこでも、気軽に」継続してスポーツを楽しむことができるよう、県内の全小学校区に地域のスポーツ環境の整備に先進的な取り組みを行ってきた云々、とある。

 

さらには、平成20年2月に「兵庫県スポーツ振興プログラム」を策定し、県民がスポーツに参加できる環境整備のための具体的施設を示し、県民のスポーツへの関心や競技力の継承、発展に取り組んできたとHPに掲載されている。生涯学習の一部、学校体育については盛りだくさんに書かれていたが、私の知りたいプロスポーツチームと自治体との関わりについては、やはり大っぴらに載せられないのだろうか・・・。それとも、スポーツ振興課はプロスポーツチームとは直接かかわりを持たない組織なのだろうか?

 

■兵庫県のスポーツの分布

兵庫県の人口は約557万人(2013年現在、兵庫県HPより)、そのうち15歳未満人口が759,277人(13.6%)、15歳以上65歳未満人口が3,515,442人(62.9%)、65歳以上人口が1,281,486人(22.9%)(うち75歳以上人口が600,323人(10.7%))である。65歳以上人口が15歳未満人口を上回っており、少子高齢化がじわり、じわりと進んでいる。

 

兵庫県人の好むスポーツといえば、それはもちろん「阪神タイガース(野球)」だろう!と思っていたが、(阪神タイガースの本拠地は大阪だと思っていらっしゃる方が多いかもしれないが、実は本拠地は兵庫県西宮市なのである。)第1位のウォーキング・軽い体操、2位の水泳に続いて、堂々の第3位に登山・ハイキングが食い込んでいる。これについては、車やバスを使わず、電車の最寄駅から降りて15~30分も歩くと、舗装されていない登山道が出現し、アプローチしやすいハイキングコースが数多くあるからではないかと考えている。

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■兵庫県に在籍するプロ・アマの競技団体

それではどのようなスポーツチームが兵庫県に席を置いているのであろうか。

■野球

■サッカー

■ラグビー

■アメリカンフットボール

■バレーボール

加盟は大阪府バレーボール協会。

加盟は久光製薬の本社がある佐賀県バレーボール協会。チームの練習拠点は、ダイエーオレンジアタッカーズの本拠であった神戸市西区にある。

■その他

 

 

■兵庫県スポーツ振興課に電話してみた

冒頭の疑問(自治体とプロスポーツチームとのかかわり)を解決するため、兵庫県スポーツ振興課に電話取材してみた。スポーツ振興課の組織図は都道府県ごとに異なるようであるが、多くは教育委員会の下部組織となっている。教育委員会の下部組織となっている以上、学校体育がメインか?というと兵庫県の場合そうではなく、生涯スポーツと総合型スポーツクラブの後押しがメインの業務で、国体や県大会クラスのイベントが開催される時に手腕をふるうようである。電話取材が災いしたのか・・・、結局、疑問を解決できるような回答は得ることはできなかった。

 

 

■兵庫県南部と北部の温度差

前述のとおり、兵庫県には数多くのスポーツチームが存在する。ただ、チームの本拠地は兵庫県南部に集中していて、中部や北部エリアには、地元のスポーツチームをバックアップする、これといった動きがないところが悲しい。

 

以前当社が、兵庫県姫路市で行われた全日本バレーの合宿最終日に、目の当たりにしたことは、兵庫県南部と北部の違いを浮き彫りにしたひとつの事例のように思う。2013年9月26日~10月5日の10日間、兵庫県姫路市(兵庫県南部)で全日本バレーの合宿が行われていた。合宿最終日の10月5日には、全日本バレー男女の紅白戦が姫路市立中央体育館で開催され、以前より全日本バレーのオフィシャル商品を手掛けていた当社は地理的に近いため、当日の販売サポートとして現場へ出向いていたのである。

 

そこでは、開場2時間前にもかかわらずファンによる長蛇の列ができていた。この列の誘導や車両の誘導、現場のすべてのオペレーションは、姫路市バレーボール協会が行っており、大会主催者としてグッズ販売から飲食販売まで、すべての運営を担っていた。自治体が運営の実働部隊となっているのである。そして、兵庫県の家庭婦人バレーボール連盟の方々もボランティアとして動員され、市民とスポーツをつなぐ大きな役割として機能していたように思う。

 

当日のチケット3,500枚は事前完売しており、全日本バレーのトップ選手が集う試合は、地元市民にとってかけがえのない機会だったのではないか。運営を民間ではなく行政(自治体)の手で行うことは、非常に重要かつ有意義なものであると感じた。

 

これに対し、兵庫県北部、但馬地方で2013年8月始動しはじめた陸上競技の地域スポーツクラブ、但馬アスリートクラブの奮闘ぶりを見ていると、自治体からの支援を多少なりとも受けることができているのか疑問に思う。但馬アスリートクラブを立ち上げられた人物は、当社サイトでビジネスインタビューにご登場いただいた陸上競技の指導者であり現役選手で、地元但馬地方に戻って活動を始めた青年であるが、兵庫県北部で孤軍奮闘している状況である。

 

雪の降る北部では、通年で安定的に練習場を確保することが難しく、優秀な指導者の確保はもちろん、実力選手が地元を離れてしまう要因ができ上がってしまっている。それでも但馬アスリートクラブでは地元から将来のオリンピック選手を生み育てたいと、自前で練習場を準備しようと努力を重ねている。

 

観光での人集めと合わせて、スポーツの分野でも地元密着型の人集めができないか、自治体の力を借りることができないか、真剣に訴えたいのである。

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