
ムジカラボという会社の説明を延々と書いていくと、宣伝みたいになっていくから、本当はいっぱい書きたいけど、簡単に書く(笑)。
プロ、アマ150チームにグッズを製作して卸している。
チーム名でいうと、Jリーグでは、川崎フロンターレやジュビロ磐田。プロ野球では、ソフトバンクホークスや横浜DeNAベースターズなど。チームだけではなく、大相撲、ゴルフ、体操、フェンシングなどの協会と取引している。
何が凄いかというと、昔からある会社でなく、6年前に、何のコネも実績も経験もない萩原さんが、切り拓いてここまでの会社にしたこと。
これ以上書くと太鼓持ち的な記事だと思われるから、ここら辺にしとく。
だけど、ムジカラボの萩原さんによって、おもいっきりサッカーに集中出来る環境を用意してもらい、一般社会というものが、どんなものかを教えて貰えた。
だから、このコラムのファンはムジカラボのホームページをちょっとでもいいから、覗いて欲しい。
話しを戻そう。
どうして、ムジカラボとアドバイザー契約を結ぶことになったのかを。
奈良クラブの入団の時期に遡る。
10年以上Jリーガーをやってきた選手が引退する理由はいくつかある。
1番は持病。
膝、腰、足首。
この3つのうちひとつでも該当すれば、サッカーが楽しくない。おもいっきりボールを蹴れずに、常に頭のなかで不安やイライラが募る。俺は膝を痛め、手術を経験したけど、サッカーを辞めたくなった。そんな俺がどうして、今は痛くなく、おもいっきりサッカーが出来ているか?答えは簡単。休んだから。
人間の身体は無理したらガタがくるけど、休んだら、劇的に良くなる。
だから、引退するときは、こんな痛みを抱えては無理やと悟るのに、半年くらい、サッカーをやらんかったら、身体が軽い。また、やりたいなと思う。
2番は衰えからくるプライドの喪失。
これは本当に抗うことが出来ない。
俺も先輩達からさんざん言われてきた。
30歳からどんどん衰えていくと。
20代で聞かされても、ホンマかなと半信半疑やったけど、ドンピシャやった。
30歳になりたての頃は認めたくなかったけど、老いというものは残酷で、心の自信も奪っていく。
同期の中村俊輔みたいに、一線級で活躍している存在もいるけど、1997年に入団したほとんどの選手は引退しているのが現状。
俊輔と1回だけ引退についての考えを話し合った。
地域リーグの奈良クラブで選手を続ける意義や想いを伝え、もう一度Jリーガーになるまで辞めないと告げた。オカらしいなと理解してくれた。
「シュンは引退について漠然と考えてん?」
そんなん考えたことないと返されると思っていたのに、
「そりゃ俺だって、考えるよ。昔に比べると…。だけど、俺は必要とされてる限りやってたい。もっと上手くなれると信じてるし、サッカー以上に楽しいことなんてないじゃん。ただ、プロとして、ちゃんと評価されないとイヤだよ。だから、これぐらい出してくれれば、本気度が分かる。期待されてる分、プレーで返そうと思えるし。」
俊輔の考えるこれぐらいは、中村俊輔を獲れるなら、どのチームも手を挙げる金額やった。俊輔にとっての本気度を測る物差しは、決してお金ではなく、必要とされる熱意なんだと感じた。それが3年前の出来事。
「絶対にシュンより長く現役でいるからな、引退試合に招待しろよ。」
20年前と変わらずの視線を向けながら、「どんどん同年代がいなくなってるから、オカでも続けてるのは、少しは励みになる。」
なんやかんやでも、同期やから(笑)。
同い年で、俺がスタメンで、俊輔がベンチやった時もあった。だけど、遥か彼方の高みに登っていく俊輔を見ながら、尊敬してやまない部分と、どこかで負けたくないと思う部分もあった。最後の意地として、俊輔の引退を現役選手として、見送りたい。願わくば同じタイミングで引退したいとも思っている。俊輔は俺のこと眼中にないやろうけど(笑)。
あすリートhttp://www.ytv.co.jp/athlete/backnum/index.html
この番組内で俊輔に出演してもらった。
その際に、放送されなかったけど、俺に対してのインタビューを見て、俺自身が気付かされたことがたくさんあった。いつか、書こうと思う。
1978年4月24日生まれ。大阪府堺市出身。
初芝橋本高卒業後、97年横浜マリノスに入団。打点の高いヘディングを武器にデビュー戦から3試合連続ゴールを記録して一気に頭角を現す。大宮アルディージャ、横浜F・マリノス、セレッソ大阪、川崎フロンターレ、アビスパ福岡、柏レイソル、ベガルタ仙台、浦項スティーラーズ(韓国・Kリーグ)、コンサドーレ札幌と渡り歩き、13年8月から奈良クラブ(JFL)に所属。川崎フロンターレ時代に始めた試合後のマイクパフォーマンス“岡山劇場”がサポーター人気を集め、その後現在まで継続。14年4月24日には自身の著者「岡山劇場」を出版。
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